「そうですよね。なんか、文化部だからって遠いのって不便ですよね。美術部は二階なのに」
「そう! 書道もちゃんと活動してるのに~」
私も先輩も顔を合わせて笑った。
ふと、先輩の作品に目を向ける。
「それ、なんて書いてあるんですか」
「これ? うーん……なんだろ、わかんない」
先輩が自分の作品を見て首を傾げる。私も首を傾げた。
「わかんないのに書いたんですか?」
「そう! なんかカッコいいから。長いしね。最後の作品だから真面目にしなきゃ、って」
最後、という言葉が少し胸にひっかかった。同時に、もう先輩は引退なんだ、と思った。