どちらの鬼もすぐに私を殺しはしなかったけれど、やはりゲームという形に持っていこうとしていた。
私が受けたゲームの提案は1:2──鬼一人に対し生徒が二名で行う。
まだ内容は知らされていなかったが、誰か他に一人、参加してくれる生徒を呼ばなければいけなかった。
凛上を見つけられたのは幸いだった。だけど、……参加してなんて、言えるわけがなくて。
「大丈夫? 怪我は?」
数メートル離れたところから、凛上は尋ねてきた。私の方には近づこうとはしなかった。
「大丈夫」と答える。そしたら私の前にいた鬼が、今度は凛上に話しかけた。
「もう一人は君で良かったかな?」