「ルールはとってもカンタンですよ。このレストルームに私たち以外に、一人でも人を入れたらあなたの勝ちです」
「……私が負けたら」
考えたくはなかったけど、でも。
「左腕一本、切り落としましょうか!」
彼女は本気なのだろう。
甘くて柔らかい声でそんな惨いことを言う。けれども躊躇う気持ちさえ感じられない。
切り落とす? なんで?
息が、荒くなった。
私が一体なにをしたのか。
「ただし、内側から呼び掛けることは禁止。使ってもいいのはこれ」
下のドアの隙間から、紐のついた小さな楕円形のプレートと、黒のマジックが出てきた。



