「私が大丈夫じゃなかったらどうするの?」
止まらなかった。
気づいたら笑顔も作れなくなって、怒るような口調になって。
早口でそう言った後に後悔した。
橙色の明かりが私達を見下ろす。
柔らかな空気を自ら引き裂いたような気がしてならなかった。
夜はまだ長い。
なにかが少しずつ変わっていく。
歯車が、噛み合わない。
私が、狂わせているの?
「……ごめんなさい。私、なに言ってるんだろ。頭冷やしてくる」
凛上の目が見れなかった。
冷静に、なろう。
静かに息を吐いて、今度は私が化粧室に向かう。
大丈夫じゃなかったら守ってくれないの?
大丈夫じゃなかったら私を手放すの?
そうだったら許さない、なんて、私はどこまで凛上の甘さに依存しているんだろう?



