最後の悪夢


両手で顔を覆って、視界を遮った。
もう何も見たくない。見たくない見たくない見たくない!


自分の殻に閉じ籠ろうとしていた。
でも彼はそんな私の腕を掴んで、引っ張って。



「向こう行こ。俺らのせいで巻き込んだのかも」



凛上。

声が震えていた。
私は、なにも言えなかったけど、何度も頷いた。もう、嫌だね。

自由で無差別の殺戮。それが黒の鬼。
じゃあ白は?


凛上に連れられて、その場を離れた。


一つ上の階に行って、客室に繋がる通路で、凛上は「トイレ」と言って、道を逸れてお手洗いに行った。酷く顔色が悪かった。


「ゆっくりでいいよ」と言ったら凛上は、振り返らないまま片手を上げた。大丈夫、と言いたかったのか。