最後の悪夢


飛び散るガラスと飛び交う悲鳴。下敷きになってぐったりして動かない人たち。深紅の床に滲み出る鮮血。


金属の輪から離れて割れたガラスの破片。痛いと叫ぶ人。下敷きになっている人が動く度、地面にくたりと横になったシャンデリアが揺れる。


声が、出ない。

目の前だったからよかった。
ギリギリ、被害はない。

いや、ないわけじゃない。
こんなに……酷い。


普通の人も巻き込んで?

頭上の照明が消えて辺りは少し暗くなっていた。
白い鬼はもういなくなっていた。


近くを通りかかったホテルのスタッフが救急車を呼んでいた。声が出ない。怖い。震えが止まらない。