震えながら一歩、ずるりと体を無理矢理滑らせて、這うように階段を上がる。 「シオン、さ……」 「大丈夫! 来て!!」 なんとか体勢を立て直して、段を強い力で踏み込む。シオンに引かれた手。 重力が前方に向けて切り替わったような感覚。がむしゃらに真っ直ぐ進む。後ろは振り返らない。 階段を駆け上がってそこには、どうしてか、凛上がいた。 凛上の手にはガラスのコップが握られていた。目が合うと、凛上は真剣な顔をしていて。