「そんなことないよ。テンションが合わないだけで」


ついていけないことが悲しい。
気を遣ってしまうのが悪いのか。



「みさきさんはなんか、大人の境地にいる気がする。大人しいよねえ、ホント。雰囲気……オーラ? なんだろうね」




それから、積極的になるべきかなあ、とシオンは付け加えた。

見上げれば、大きなシャンデリアが私達を見下ろしていた。

レストラン内は賑やかで、シオンは制服姿だけど馴染んでいるのに、私はその空気に呑まれて溶けてしまいそうだった。

人の声が耳に障るわけではないけど、私には、この空気は合わない気がする。

……いや、合わせようと思えば合わせられるかも?