こそこそと近くの友達と話し合う生徒だが、誰も意見はしない。だから代わりに私が賛成の意思を示そうと思った。 「いいと、思います。私は」 静寂を破るハスキーボイス。 私より先に声をあげたのは、後方にいた花巻だった。 まだ目元が腫れて赤い。あの時泣いていた花巻。肩までの長さの癖っ毛の髪。若干のつり目。細身でありその手足の長さから、スタイルの良さがうかがえる。 「俺も賛成です」 「うん、俺も」 「賛成です」 花巻に続き次々に、流されるように特待生が賛成の意を示し始める。