入り口を振り返れば、もう数人の先生が扉の近くを守っていて、私達はホテルに閉じ込められたのだとわかった。
遅い。気づくのも遅い。
なにもかも手遅れだ。
騒いでいた生徒も、そのうちなにも喋る気もなくなってしまって、また辺りが静寂に包まれた。
でも、そんな時に。
「あの。連絡網作りません?」
一人の男の子が、提案したのだ。
「みんなで何かあったときに助け合えるように」
名前は知らなかったけど、固い雰囲気出はなく、パッと見て感じの良さそうな、短髪の男の子だった。
連絡網か。余裕がなかったから、考えたこと、なかったな。



