そうじゃないのなら私がここにいる意味がない。みんな、みんなそうだ。
「嫌だ」
「まだやるの。死んじゃうよ」
「帰りたい……!」
広くても静かなホールに二十人ほどいれば十分だった。
耐えきれなくなって生徒が騒ぎだして、それはわあっとホール全体に広がった。
フロントの案内の二人の女性がこちらを見て、ひそひそ話してと笑っていた。
どれだけ辛いかもしらないくせに、よく笑える。酷い。先生は一人一人にカードキーを渡し、個室に向かうように指示をしたが、誰も従わなかった。
それでも文句を言っていても、ホテルから出られるわけではなかった。



