最後の悪夢


「一人一部屋、今日は貸しきりです。次の企画は四時間後の、夜の十二時なので、それまでにしっかり体を休めるようにしてください」



貸しきり。
思わず苦笑してしまった。

そうか。ここまできたら国はどんなことでもするのか。

私達の成績のために全てを尽くす?
こちらが命を懸けるから? 馬鹿みたいだ。そんなことで気持ちが楽になるとでも思っているの?



「夜中にも鬼ごっこするんですか?」と誰かが私の後方から先生に聞いた。数人がそちらに振り返ったけど、誰が聞いたとしてもどうでもよかった。


「明日はほとんどが自由なので、それまで頑張ってください」


自由なんてどこにある?

自由のために頑張るんじゃない。私は成績のためにこの合宿を受けたんだ。