駐車場で降りて、重い体を引きずりながらホテルに向かう。正面の大きな自動ドアをくぐると、洋風の大きなフロアが広がっていた。
私も周りの生徒も、その立派な内装に圧倒されていた。天井にはシャンデリアがある。
ワインレッドのカーペットの上を歩く。足が床にすこしめり込むような、不思議な感覚。
血を浴びたローファーで踏むなんて汚らしいと、誰かが言いそうだと思った。お洒落でゴージャスなホテル。
先生は私達に待っているように指示し、フロントに向かった。少ししてから戻ってきた一人の手には、なにやら紙の束のようなものが握られていた。
これ、もしかして……。



