怯えて一人で体を抱えながら、流れる景色に焦点を合わせず、自分の膝に視線を落としていた。 これから本当の地獄が始まるなんて誰も予想もしなかった。 また単純な鬼ごっこに疲労を重ね、体をボロボロにして死んでいくのだと。私を含めて特待生のみんなが、そんな甘い考えでいたのだと思う。 ホテルについたのは夜の七時前だった。 空は暗転し、どこか今日の終わりを感じ始めていた。