もう辺りは日が沈みかけていて、空には深く暗い青と、山の奥の橙と、合間の淡い緑が滲んでいた。綺麗なブルーモーメント。
合宿担当の先生の指示で繁華街から移動して、繁華街に来る前に降りた駐車場に戻った。
バスが一台止まっていた。
一台だけ。
生き残る人数が最初から決まっていたみたい。今の人数なら一台におさまるから。
「バスの席は自由です。ただ合宿の進行を妨害するような行為は慎んでください。見つけ次第処分とします」
徒歩で移動する間もバスに乗り込む間も、ずっと脅されているような思い。精神的にこたえているのか、泣き出す人もいた。



