凛上の制服を引っ張った。

まだみんなが花巻の友達から目を離さないうちに、凛上の目を引いた。


不安になった。


「大丈夫?」

「なにが?」


私はその腕の方を見て、顎を動かして指し示す。凛上は腕の傷をちらっと見た。

もしかしたら死んでしまうんじゃないかと思った。何があってもおかしくない。

感染症になるかもしれない。失血死のリスクもある。

凛上は、


「あとで一応先生に見てもらう」



そう言ってから、



「心配してくれて、ありがと」



照れたように笑った。