花巻という彼女は、涙をボロボロ流して嗚咽して、先生に宥められていた。

花巻の服もまた血で汚れていた。爆弾、という言葉が頭をよぎった。爆弾なら足が吹き飛んでもおかしくない。

でも、本当にそんなことがあるの……?


目の前で消えてしまうかもしれない命があって、ここまで冷静でいられる私は狂っているのかもしれない。

それか、もしかしたらもう心のどこかで、この合宿からは逃れられないと諦めているのかもしれない。


誰かが苦しむその痛みに生きていると感じる。ただ傍観するのは人間でなくとも意思のない人形でもできることだ。


まだそちらの方が人間味があるように思えないか。必死になって抵抗してもがき苦しむ。

あの泣いている花巻のように。