不意打ちだった。真後ろから襲われて、私は無事だったけど、凛上はナイフを持った鬼に左腕を切られて。

その後なんとか持っていた瓶を振りかざし、思い切り鬼を叩いて走って逃げた。


あとは近距離で銃も撃たれた。本当にぎりぎりだった。当たらなかったけど、あれは、二人とも危なかった。

一発で玉切れになったのが幸い。
リロードの間に離れて隠れたんだけど。



「落ちてる瓶とか物色した」

「ああ……でも、手段も、選んでられないよな」



細く長い指から滴り落ちる赤い雫。
目が、離せない。


じいっと凛上の腕を見ていた。そしたら凛上の隣にいたからか、それを珍しく思ったのであろう。凛上が話していた男の子に声をかけられた。


「旭、さん? 学年一位の。凛上と一緒にいたの?」