広さ的に繁華街にいたのは三人ぐらいじゃないだろうか?
もっと集まっていたら、助からなかっただろう。
「凛上? すごい怪我してんじゃん」
「うん、痛い。なかなか」
隣でそんな会話がした。
私は、関係ないなんて思えなかった。一緒に逃げてくれている途中で、ギリギリの場面もあった。
二回。
「血ついてるじゃん。制服も切れてるし。ナイフ? 切られた?」
「おお。鬼と直にやり合った」
「はぁ!? やば……よくやるな。こっちなんにも武器なかっただろ」
ナイフで切られた制服。
裂けた中のカッターシャツは血が滲んでいた。