最後の悪夢


足を見れば赤い血が固まり、靴下に染みていた。流れた跡が筋のよう。こうやって私はボロボロになっていくの?

絶望した。
視界が暗くなってきていた。でも、凛上は、私にまた問いかけるのだ。


「じゃあ大人しく死んでやるの?」



辺りが静まり返る。
さあっと冷たい風が吹いた。

高ぶっていた気持ちを宥めるみたいな、そんな落ち着いた声だった。



「諦める?」




声に反応するようにポツンと光が一粒落ちて、だんだん視界が明るくなっていく。



「ううん」



首を横に振る。
私は、弱いな。凛上は強い。

いつも辛いときにぐっと、持ち上げてくれる。