「ちょっと待ってて。連絡とりたい人がいるの」 「連絡? なんの」 「部活の先輩、なら、知ってるかも。この合宿受けた人で」 凛上は驚いたように一瞬目を見開いてから、二回ほど頷いた。「周り見張ってる」と言って。 〈もしもし〉 「もしもし……!」 すぐに繋がった。 嬉しくなって、安堵がこみ上げてきて、口もとがほころんだ。 〈みさきちゃん? 久しぶりだね~〉 「先輩、あの、聞きたいことがあって。急いでて」 〈うん? なに?〉