最後の悪夢


色鮮やかに塗られた風車、どんぐりみたいな駒を売る駒屋、商品の並べられたくじ引き、鳴り響く射的の音。流れる景色。ここは地獄なのか。なんて賑やかで恐ろしい。


射的の音にすら驚いた。

今自分が背後から鬼に撃ち抜かれたのではないかという錯覚を起こしたし、それで胸元を触ってみたら、それまで意識してこなかった肺の痛みに襲われた。

酸素が足りていない。
足の筋肉がちぎれそうなほど痛い。

何分走った?


私は持久走でも、隠れてこっそり歩かなければ完走できないでしょ?





時計台は三時を指していた。


一分一秒も永遠だった。