最後の悪夢


パリイン!と硝子が粉砕されたような音が近くで連続で響いた。


刹那息を切らした凛上が、ぐわっと、こちらに走ってきた。私はその勢いに呑まれるように、その背中に続いて凛上と同じ方向に走った。


後ろから鬼が来ていた。

確認した直後、鬼が手を振り上げてなにかを投げようとする素振り。


青空を逆光に、私の後ろに降ってくる謎の物体。私はそれを知っていたから、急いで走った。鬼はついては来なかったが、私は焦った。


凛上と道を抜ければ後方から響き渡る爆発音と爆風。何かの破片が足に当たって痛みを感じた。


愉快な笛の音が流れる。
笛の音にのせて流れる私の赤いからだの一部。