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その後、結局泣きながら家に帰ってきて、僕が落ち着いた頃にはもう夜中の12時を回っていた。
…ちゃんと、話さなきゃ。
僕が春子先輩を大好きだってこと。
誰よりも大好きだってこと。
遼が言ってたことが本当なら、春子先輩も相当僕のこと好きじゃん。
しっかりしてよ、僕。
「春子先輩、急に泣いてごめん。ちゃんと話そ、」
「…うん。さっき…真緒くんがやだって言ってたのは何に対してか教えて欲しい」
聞こえちゃってたか。
うわぁしかもやだよ、とか何だよ僕。
子供みたいじゃん恥ずかしい、。
「それは…その。春子先輩に別れよって話されそうな気して、その、僕、春子先輩と別れるとか絶対無理って思ったから」
え、これって普通に別れよって話しようとしたよって言われたら終わりなやつじゃん。
え、無理なんだけど。
どうしよ…。
聞くの怖い…
「…!!」
1人で悶々と考えていたら、春子先輩が両手で僕の顔を挟んで、額を合わせてきた。
至近距離で見つめあって、…かと思ったら離れて…
ゴツッ!!
「…!?!?っ痛…」
「痛…。やりすぎた…」
「え、春子先輩何して…」
僕がそういうと春子先輩は、自分でぶつかってきたはずの痛みに耐えられなかったのか、涙目で僕の方を見た。
というか睨まれた!?
「え、じゃないの!まだ私何も言ってないよ?何でそんなに不安そうなの?何が不安なの?…私は、真緒くんがそうやって1人で悩んで大人ぶって、私に言ってくれないの、やだよ」
「今だけの話じゃないよ?…ずっと、そうじゃん。真緒くんは、年下だから私を不安にさせないようにって考えてくれてるんだって分かってたけど、…だんだん、それが辛くなってきて。」
「だんだん、気持ちが分からなくなってきちゃって。無理してまで相手に尽くし続けることって、本当に愛なのかなぁとか考えちゃって。」
「…っ真緒くんが、私のこと本当に好きなのか、分かんなくなってきちゃって。」
「だから…真緒くんが誘って来てくれても、嬉しかったし私もしたかったけど受け入れられなかった。我慢できなくてキスとかしちゃったのはごめん。」
