はぁ、結局、ちゃんと話す前に寝ちゃったな。
春子先輩をおぶって、家までの道。
何故かすごく、幸せな気分。
まだ何も解決していないのに、春子先輩が僕の背中に乗ってるってだけで、十分幸せだなんて。
ほんと僕って重症。
「ん…真緒くん、」
っ春子先輩、起きた。
「なんですか、」
「…家、着いたら話そう?」
怖い。振られるのかな、僕。どうしよ、家着きたくないよ。
「…」
「真緒くん?」
まだ、別れたくないよ…。
まだ春子先輩の隣にいたいよ。
まだ、やりたいこといっぱいあるのに。
まだ、まだ、まだ、まだ…。
「っ、…ぅうっ…、っく、やだよ」
気付いたら、泣いてた。
立っていられなくて、春子先輩を下ろして、抱きしめて、泣きついた。
「春子、先輩…っううぅ、」
「えっ、真緒くん?」
春子先輩は戸惑いながらもずっと抱きしめててくれて。
暗闇に僕の泣き声だけが響いた。
