誰よりも近くで笑顔が見たい

それからの上原くんの活躍は、すごかった。


どちらかといえば、小柄な背で相手のマークをくぐり抜けていく。


そして、鋭い強いシュートを打つ。


ゴールを決めるたび、歓声が大きくなっていった。


試合は、上原くんの活躍で圧勝。


前半戦の泥試合なんか後半戦では、一切見なかった。


帰ろうと立ち上がると、スマホが鳴った。


『山内さんと、きてください』


その言葉と一緒に、この会場の地図。


来て欲しいところかな、丸が書いてある。


『了解』って意味のスタンプを送って、なのちゃんを呼び止める。


「ここ、行こう?」


「んー、オッケー。蘭、はぐれないでね」


林間学校の時のことがあるからなのか、なのちゃんは送られてきた地図を見ながら、私の手を握った。


なのちゃんについていくと、すぐに目的地にたどり着いた。