誰よりも近くで笑顔が見たい

音の大きさに驚いてる蘭を見ていると、一つの台の前で立ち止まった。


「これ、欲しいの?」


マグカップに犬が入った大きめのぬいぐるみ。


取れる、かな。


昔からこういうのは得意な方。


兄貴とゲーセンでどっちが多く獲れるか勝負もした。


手持ちの金を使い切るからよく母親に怒られたっけな。


100円を入れると、アームを動かす。


久しぶりだな、これ。


ボタンを押すと、アームが下に下がってぬいぐるみをがっしり掴む。


思ったより綺麗に取り出し口へと運ばれた。


「はい」


「ありがとう……」


嬉しそうにぬいぐるみを抱きしめる蘭の笑顔に、こっちも嬉しくなる。


2人で少し別のゲームをした後、2人でクレープを食べた。


蘭が食べてたのはいちごチョコ。