「ごめん。ほんと」


その言葉で電車が目的の駅に着いた。


「立てる?」


上原くんを支えながら、電車を降りる。


身長差があるから、ちゃんと支えられないけど、上原くんが身体を預けてくれてるのがわかる。


上原くんに道を教えてもらいながら、2人で歩く。


「ここ」


そう言われて、着いたのは綺麗な外装の一軒家。


ピンポンを押すと、中から男の人の声がした。


「あれ、君、この前の……」


出てきた人にそう言われた。


文化祭の時、助けてくれた男の人。


なんで、ここに?


上原くん、家間違えてないよね?


「蓮、お前、だから今日はやめろっつったのに」


その人は、上原くんを見るとそう言った。


「あの、私、全然、気づかな、くて」


そう言うと、その人はなんてことないように笑う。