明日、運命の日を迎える。

渉は仕事を休んで付きっきりで私のそばにいてくれている。

「もう電気消そうか。」
そう言って早めに私を休ませようとしている渉の表情はいつものように見えるけれど、不安でいっぱいなことは言葉にしなくてもわかる。

「・・・ん」
「さっき光見てきたら、元気に手足をばたつかせてた。」
「・・・ふっ・・・よかっ・・・た」
私は無事に二人の間に宿った命をこの世に産みだした。
でも・・・病気の治療で、明日運命の手術を受けることになった。

この手術で私は完全に声を失うことが決まっている。

翌日の早朝からはじまる手術。

明日は朝起きたらすぐに手術の用意をして、手術室に向かうことになっている。