運命の一夜を越えて

「赤ちゃん・・・大丈夫かな・・・」
「大丈夫さ」
弱気になるとすぐに打ち消すような言葉をくれる。

「お義母さんが持ってきてくれたんだ。これ。」
お母さんも私を心配して、私の好物を病院にもってきてくれる。

「食べるか?」
「・・・うん」
おばあちゃんの手作りの梅干しの入ったおにぎり。

一度にたくさん食べることができない私のためにと、おにぎりを持ってきてくれる。

「おいし」
「よかった」
「・・・おいしいな・・・」
「彩」
「ん?」
少しずつ少しずつおにぎりを頬張る私を見つめながら渉が話始める。