運命の一夜を越えて

「彩」

しばらくして、静かに涙を流しながら私は渉の胸に抱きしめられていた。
涙が止まらない。

そんな私の背中をさすったり、お腹を撫でたり、髪を撫でながら渉は話始める。


「俺、諦めたわけじゃない」
「・・・」
「この子と、彩と、俺の未来を。」
「・・・」
渉ははっきりとくっきりと話す。

「彩もあきらめたらだめだ。」
「・・・」
「あきらめないでくれよ。」
「・・・」
「一緒にいたい。俺は彩とこの子と俺と3人の未来がほしい。」