「それから、渉。私からのあなたへのメッセージはこれが最初で最後です。」
彩はそう言って画面越しに俺に微笑みかける。

「渉、これは最後の私からのお願いです。この子に新しいママを作ってあげてね。どうか次の幸せを必ず見つけてください。そして次の幸せを見つけた時、私のことを忘れて前に進んでください。

だって、いつまでも私にあなたを縛りつけておくことを私は望んでいません。
私のいない世界で、あなたが私にとらわれて次の幸せをつかむことに後ろ向きになってしまったら、私はあなたと出会えたことを後悔してしまうから。こんなに幸せで、満ち足りた人生と思っていても、あなたが私がいなくなってから幸せを失ってしまうようなことがあれば・・あなたに申し訳なさ過ぎて死んでも死に切れません。

だから、渉、私を忘れて、前に進んでください。
これが最後のお願い。」

無理して笑ってるのが分かるに決まってるだろ。
何を言わせてるんだよ、俺、彩にこんなにつらいこと・・・