俺が画面に触れたとたん、場面が切り替わる。
彩の服が変わっていて、明らかに撮影をした日が変わっていることが分かった。

つらすぎて、撮影を続けることができなかったのだろう・・・。

こんなことしてたのかよ・・・

全然気づいてあげられなかった・・・
ただいまと帰宅すると、彩はいつだって穏やかに微笑み返してくれていた。

体調があまりよくない日でも、俺に必ず微笑みかける。

その表情はすでに母性にあふれていて、どんどんと母親になっている彩に、俺は心からほっとしていた。

なのに・・・こんなにつらい・・・別れの準備を彩は毎日のようにしていたのか・・・

やるせない思いが込みあげて俺は思わず、床にこぶしをうちつけた。