運命の一夜を越えて

「今日はパンケーキの話。」
私もよく知っている話だった。

「あっ、ママには本物のパンケーキ買ってきた」
渉は赤ちゃんに何かお土産を買ってくる時、私にもお土産を買ってきてくれる。
「ありがと・・・」
お土産は食べやすい果物や柔らかいスイーツが多い。

「今度赤ちゃんの性別きいたら速攻ポチる。」
そう言ってネットで赤ちゃんの服をすでにカートに入れていて、男の子ならその中の男の子の物を、女の子なら女の子の物をすぐに買う手はずは整っているらしい。

妊娠後期に入るまでは、私たちは赤ちゃんの物を買わなかった。
渉も何も言わなかったけれど、ちゃんと生まれてくるという確信が持てない時期には何も買ったり、二人であれが欲しい、これが欲しいと話を出すことは何となくできなかった。
でも最近になり、赤ちゃんが2000gを超えて、たとえ今生まれたとしても生きられる可能性がかなり上がったことを先生から聞いたときから、私たちは我慢していた分も赤ちゃんの物を買い始めたり、準備を始めた。