運命の一夜を越えて

「いつもの作ってあるから、食べてな」
「うん」
「お義母さん、今洗濯してくれてる」
「うん」
「愛してる」
口づけをしてから渉は手を振り寝室から出て行った。

ゆっくりと深呼吸をする。

つい2週間ほど前、一度呼吸困難で私は救急搬送された。

気管を圧迫していた腫瘍の一部を焼き切る処置を受けて、しばらく口から何かを食べたり飲んだりすることは激痛だったけど、今は徐々に固形物も食べられるようになった。

ただ、かむという動作にも痛みが伴うため、渉は毎日梅干し入りのおかゆを作ってくれている。

野菜のお味噌汁も、私に合わせて具が柔らかくなるように圧力なべで一度野菜を柔らかくしたものでお味噌汁を作ってくれていた。