愛想笑いって疲れる。

ちらりとほかの女性陣に目を向ける。大きなテーブルに私たちは男女それぞれバラバラに座っている。ほかの女性陣はロックオンしたターゲットの男性に夢中だ。二人で同じ男性に必死で、男性陣はうすうす自分に女性が興味を持っていないとわかっていながらも、無理やりその輪の中に入ろうと声をどんどんと大きくしている。なんて滑稽・・・。

私はテーブルの端に座っていて、右隣のさっきから話しかけてくる男性がほかの男性陣を寄せ付けないように、身を乗り出しているおかげで、ほかの男性の相手までしなくて済んだ。

ちらりと時計を見る。

ここは2時間で終わる予定。
残り時間はあと40分。

ある程度お腹が満たされた私は、手にしていたフォークを置いた。
ナプキンで口を拭いてから、立ち上がる。

「お化粧、直してきますね?」
再び愛想笑いをしてから席を離れる。