運命の一夜を越えて

「好きなだけ食べよう」
いたずらに微笑みながら渉は私の手をひいていちごがなっている方へ近付く。

「ほら。」
私の口に大きくて真っ赤ないちごを入れる。
「うまいか?」
「・・・うまい・・・」
「よし、いっぱい食べよう」

次々においしそうないちごを見つけては私の口に入れていく渉。
もごもごと食べている最中にも「ほら」と次のいちごを私の方に運んでくる。

自分の口には全く運ばずに、私の口にばかり。

甘酸っぱい味が口の中に広がっていく。

昨日私がいちごが食べたいと言ったから渉は連れてきてくれたんだ。
私を考えて・・・仕事を休んで。

口いっぱいにいちごを頬張りながら渉を見る。