運命の一夜を越えて

一方私は昨日泣きすぎてしまって目が腫れている。
ついでに渉が勝手に仕事を休んだことをまだ許していない。

私のせいだとわかっているからこそ。
だからこそ自分にいら立ってすらいる。

「え?」
渉に手を引かれてあるいていった先に見えた看板。
そこに書かれた文字を見る。

「言ってただろ。食べたいって。」
「え?」
看板に書かれていたのは『いちご狩り』の文字。
「行こう」
まだ状況が飲み込めていない私の手をひいて渉は受付でお金を支払い、ビニールハウスに入る。

「足元気をつけろよ」
私の足もとを見ながら渉は進んでいく。

ビニールのカーテンをめくると真っ赤ないちごと緑の葉が目に入った。
甘い香りに全身が包まれる。