運命の一夜を越えて

がんに関する基礎的な知識の勉強、いろいろながんに対する食事療法や医療ではない治療はないかどうかを調べたりもしている。それに加えて妊娠や子育てに関する勉強もしてくれている。

学んだことをすぐに実践するのが渉。
つわりでも食べられる食材を調べては買ってきてくれたり、がんの進行を遅らせるためにも体を冷やさないようにと冷たい飲み物を家から無くしたり、足を温めるフットマッサージの機械も買ってくれた。

「何かあったらすぐ連絡しろよ?」
「ありがと・・・」
渉は出勤時間ぎりぎりまでそばについていてくれた。

早くこのつらいつわりから解放されたいという気持ちと、これもすべて赤ちゃんがお腹に宿っているからこその悩みなのだと思うと少し安心するような気持ちとが入り混じる。

渉にしてあげたいことがたくさんある。

私にはつわりだからと言って立ち止まっている時間はあまりないのに・・・

もどかしい気持ちがこみ上げるたびに、それでも命を授かっている奇跡を続けること、そして元気にこの子を産みだすことが私にとって最優先事項だとも思う。