運命の一夜を越えて

「今日は一段と顔色悪いな。」
「うーん・・・」
やっとトイレから出て、胃の中のものをすべて吐き出したばかりで、まだぐったりとしている私。
吐き気との戦いが始まってから、私はトイレか寝室かこのソファかのどこかにしかいない。

渉は私が動かなくて済むように、ソファの前に置いてある机に必要なものをそろえてくれている。
ケトルや携帯電話の充電器、リモコン、ブランケットに大きめのクッション、ティッシュや袋などなど。
私は吸い込まれるようにソファに体を沈めてブランケットにくるまった。
「寒い?」
スーツ姿の渉が私の前にしゃがむ。
「うんん。」
話をするのもしんどい。
吐くものがなくても吐気に襲われるのが不思議だ。

「あー代わってやりたい」
渉の方が私よりしんどそうな顔をしている。

最近、私が寝てからいろいろと勉強してくれていることを私は知っている。