運命の一夜を越えて

『お母さんまだまだ元気だし、フットワーク軽いほうなんだから。おばあちゃんも亡くなったし、帰ろうと思えば私はいつだってここにこられるから、大変な時はそっちに行く。』
「・・・」
『かわいい孫の世話役は任せなさい。なんなら渉君の実家のある北海道にだってどこにだって行くわよ』
お母さんは私が赤ちゃんを産んでも育てられないかもしれないということをわかっているんだ・・・。

私の決断はたくさんの人を巻き込む。
迷惑をかける。負担をかける。
それは心にだけじゃない。身体的にも負担をかけてしまうんだ。

「ごめんなさい」
『彩』
「はい・・・」
『堂々としなさい。もう謝らないで。お腹の赤ちゃんのために。謝ったらだめ。胸張って、頑張りなさい』
「お母さん・・・・」
『よかったね、彩。夢がかなうんじゃない。病気になんて負けていられないじゃない。』
何よりも母の励ましは心に響く。