私の腹痛の原因は過度なストレスと妊娠初期にあるという子宮の痛みだろうと言われた。
痛みによりパニックになった私を、渉が救急車を呼び病院へ運び込んでくれたらしい。

少し落ち着いてから私たちは渡部先生と高梨先生に、命をうみだす選択をしたことを伝えた。

2人ともかなり厳しい表情をしながらも、選択したことを精一杯サポートすると言ってくれた。

私はそのまま再び一日入院することになり、前回の精密検査の入院で中止にしていた検査を、妊娠に影響のない範囲での受けることにした。

「明日妊娠証明書を出しますから、役所に行って母子手帳をもらってきてくださいね。」
超音波検査の後に、高梨先生はそう言った。

「病院に運ばれた時にもエコーはしたんだけど、その時のご主人の顔、あなたにも見せたかったわ。」
内診が終わり、私が身支度を整えている間、渉は診察から一度出ていた。その時に高梨先生が教えてくれた。
「もう、しっかりパパの顔だった。」
私も見て見たかった。