「辛いことや困っていることを言ってもらえるような関係であれるように全力を尽くす。」
「うん」
「行事には全部参加する。参観日は最前列で参観する。」
「・・・うん」
涙で渉の顔がよく見えない。
瞬きするたびに少し見えるけど、すぐに涙があふれて来る。

でも、時々はっきりと見える渉の表情はもう父親の顔のようにみえる。

「運動会では保護者競技に張り切って参加する。その時に恥ずかしい姿を見せないように今から筋トレとかランニングとか努力する。」
「うん」
「休日は必ず一緒に遊ぶ。パジャマでゴロゴロしているようなだらしない父親にならないように、努力する。あくまで努力だけど。」
涙で言葉を返せない分、首をぶんぶんとたてに振る。

「してあげたいことがいっぱいあるんだ。」
うん。私もそうだよ。同じ気持ちだよ。
大きく頷く。