運命の一夜を越えて

あまりの痛みに薄れる意識の中で、私はどうしても渉に言いたいことがあった。

何とか声を絞り出す。

渉の腕につかまりながら、懇願する。


「お願い・・・赤ちゃんを・・・私からとらないで・・・お願い・・・守って・・・渉・・・お願い・・・赤ちゃん・・・」


ちゃんと言えただろうか。

ちゃんと届いただろうか。


そんなことを考えながら私は完全に意識を失った。