運命の一夜を越えて

次の日、渉に職場まで送ってもらった私は上司に自分の病気のことを伝えた。
その時もまだ赤ちゃんのことは言えなかった。

無事に出産できるかも何も保証がない。

上司は数日出勤した後は無理のない程度に在宅ワークで仕事の引継ぎをするようにと言ってくれた。体調も気遣ってくれて、定時で上がれるようにサポートをしてくれるとも約束をしてくれた。

体調も落ち着いていて、相変わらず食欲はあまりわかなくても赤ちゃんのことを考えてこまめに何か口にするようにして出勤する日を乗り切った。
家事も私の送迎も渉がしてくれて、私がつまめるように毎日梅干しの一口おにぎりまで朝早起きして作ってくれた。

「じゃあ、仕事行ってくるから。弁当、ありがとう。」
「うん」
「早く帰る。」
「うん、いってらっしゃい」
今日からは私は在宅ワーク。
渉は出勤。

久しぶりに私の方が朝早起きをして、渉にお弁当を作った。
在宅ワークとはいっても上司がかなりフォローしてくれたおかげで一日に数時間程度で仕事が終わるような状況だった。