運命の一夜を越えて

「まずは現在の瀬川さんの体の状況を詳しく調べることと、今後の治療の方針を決めましょう。」
「妊娠はできますか・・・」
震える声でそう質問した私。

その言葉に、黙っていた高梨先生が口を開く。

「治療の状況によりますので、何とも言えません。しかし、私は産婦人科の医師を20年以上勤めていますが、がんを克服された方が不妊治療により命を授かる奇跡も診てきました。瀬川さんにもその奇跡が起きることを願います。」
「渡部先生」
「はい」
「私は・・・生きられますか・・・?」
「まずは検査を詳しくしましょう。」

はっきりとした答えをくれない。

知っている。

先生たちがはっきりと答えをくれないのは確信が持てるような安易な状況ではないということなんだ・・・。