運命の一夜を越えて

「瀬川彩さん」
「はい・・・」
すべての検査が終わってから私の入院している部屋に医師が2名入ってきた。一緒に看護師も2名病室へ入ってくる。

嫌な予感が絶望に近い確信にかわり、私は思わずベッドの隣に立っていた渉に手を伸ばした。

「検査、お疲れさまでした。」
一名の医師は私が小児科から一般内科にうつってから担当してくれているよく知っている医師だがもう一人の白衣を着ている医師は見覚えがない女性の医師だった。
研修医には決して見えない。

私の伸ばした手にすぐに気が付いた渉が、私の手を両手で握り返してくれた。

「お疲れでしょうから、今日はここで検査の現在わかっている結果をお伝えします。」
看護師が医師2名分の椅子を用意し、医師たちが少しだけ顔を見合わせてから座った。

「今日の検査で分かったことをお伝えします。ただ」
そこで医師が黙る。
私は渉が握ってくれている手に力を込めた。