運命の一夜を越えて

「今日の夜8時以降は食事はとらず、摂取するのは水のみでお願いします。明日は9時には病院に来てください。」
「わかりました。用意する物はありますか?」
話を聞きながらも、渉は私の背中をさすり、表情を見てくれている。

「結果はどのくらいでわかりますか?」
「今回の検査はすぐに結果が出るものが中心ですので、その日のうちにだいたいの検査の結果はお伝え出来ます。数日要するものもありますが、それも2~3日中には結果が分かるでしょう。」
「わかりました。よろしくお願いします。」
私のことなのに、深々と頭を下げる渉。

「彩ちゃん」
医師も私が小児科から一般内科に変わってからずっと診てきてくれている医師だ。
「頑張ろう。」
その医師は大丈夫とは言ってくれなかった。
がんばろう・・・

幼いころの闘病の記憶がよみがえる。