私の大好きな場所。

渉の胸の中で目を閉じる。

「家族になったんだ。お互いに支え合うのは当たり前だし、俺も幸せすぎてなんだって楽しくて仕方ないんだよ。そりゃ心配だけどさ。彩がいてくれるからなんだって頑張れる、彩がいてくれるからなんだって楽しく感じちゃうんだよな。」
「・・・私も。」
「彩がそばにいてくれると、世界が全然違って見えるんだ。」
「私も」
「まだまだ俺たちの幸せな時間は始まったばっかりなんだから。」
「うん」
「大丈夫」

最後に渉が言った”大丈夫”という言葉が体に響く。

この時の大丈夫という言葉が、今の私にはほんのひとすじの希望として今も心の奥にしまってある。