運命の一夜を越えて

渉の腰に手をまわして私はその胸に頭を預けた。

「今日」
「ん?」
「今日、病院で名前を呼ばれたときに実感しちゃった」
「瀬川彩?」
「そう」
いろいろと手続きが多くて最近新しい名前を書くことは多かった。
瀬川で呼ばれることも増えた。

仕事中に電話対応で瀬川と名乗ることもある。

その度にどきどき少しくすぐったいような気持ちになる。

あー私、渉と結婚したんだなと実感する。
「幸せすぎて怖い」
「俺も」
ギュッと私を抱きしめながら笑う渉。
「このままとけちゃいそう」
眠気を感じ始めた私が目を閉じたまま言うと「ちょっと寝ろ」と頭を撫でてくれる。